電車のシート端の仕切り板に設置されている手すりのふりをした魔物。
いかにもモノを引っ掛けたくなる形状で乗客を惑わせ傘を捕獲。その瞬間、傘と同化することで乗客の脳から「傘の記憶」を消去。持ち主に存在を忘れられ置き去りにされた哀れな傘をゆっくりと捕食する……。
「あの場所には魔物が住んでいる。底なしの食欲で傘を喰らっちまう、魔物がな」(漠然冒険家・ドン・寺井 著「アンブレライーター」より引用)。
発見者:どてらい
発見の経緯
「バク然らいぶらり」収録時、トレ乗りポジショニングの話題で盛り上がったハマナカ、どてらい、ギャルマスター☆ゆかりん。
誰が言い出したか「シートの端の手すりに傘を掛けると必ず忘れる」という説に、満場一致で同意。
学会内では「鉄道会社が乗客から傘を接収して再販するための陰謀」と、「満員電車に充満した人々の業が宿り、傘を喰らう魔物として姿を変えた」という二つの説が浮上。
「鉄道会社を敵に回すのは良くない」という身も蓋もない理由と、「魔物というファンタジー感がワクワクする」という厨二的発想から後者の説を推奨。
その生態の研究に乗り出した。
生態
傘を電車に置き忘れた時は、八割方アンブレライーターに食われたことが原因と言っても過言でない。
アンブレライーターの真の恐ろしさはその狩猟スタイルにある。
「どうぞ、傘を掛けてください」と言わんばかりのフォルム。
傘を捕獲したら持ち主の記憶から存在を消すほどの擬態力。
猛スピードで巣(電車)ごと走り去る驚異の逃走力。
特にビニール傘の場合、逃走されたら最後。
傘との今生の別れとなるだろう。
対策
学会は、アンブレライーターと幾多の死闘を繰り広げてきた漠然冒険家のドン・寺井氏と接触。対策を伺った。
シートの端に座るな。アンブレライーターに誘惑されるから。
ダンスフロアのソデに立つな。アンブレライーターの爪が届くから。
スマホを持つな傘を握れ。アンブレライーターに記憶を消されるから。
学会の研究
日本漠然学会では、アンブレライーターの被害を減らすため、ドン・寺井氏と連携をとり、その生態系を研究している。
ドン・寺井氏は、「例え、高価な傘を持ち込んでもアンブレライーターの誘惑には抗えない」と語るものの、以下のような希望的観測も述べている。
「ただ、アンブレライーターは舌が肥えていて『好きなモノは最後にとっておく』という習性を持っている。そのため、高価な傘の補食はビニール傘よりも後に回される場合が多いため、救出できる可能性も残されている」。
また、日本漠然研究学会分析官・ハマナカは自身の提唱する学術「トレ乗り学」とも紐付け、「被害者は意外とトレ乗りポジショニングスキルの高い人に多い」という仮説を立てている。
「トレ乗りポジショニングスキルが高い人は満員電車でもリラックスしている場合が多い。このリラックス状態が、アンブレライーターの巣に迷い込んでいることを忘れさせる。スキルの低い人は常時緊張状態で傘を握りしめていることが多いため、無意識に防衛している可能性が高い」。
これら乗客の行動とアンブレライーターの生態の因果関係の解明は、喫緊の課題であると学会は認識している。
備考
学会の研究の裏付けではないが、トレ乗りポジショニングスキルの高いハマナカ、ゆかりんは「絶対に傘を持っていかれる」と、語る。
反面、ポジショニングスキルの低いどてらいが被害に遭わないかと言えばそうでもなく、そこそこの確率で補食されているという。
このあたりは個々の性格の差などもあるので、引き続きサンプルが必要であろう。
ちなみに、「鉄道会社の陰謀説」を疑っていたのはどてらいである。
「最近、駅で傘をレンタルできるサービスがあるが、あれは僕たちの傘を再利用しているに違いない……」
各鉄道会社様。学会としては彼の陰謀論には全く賛同しておりませんこと、ご理解いただければ幸いです。
あと、彼に傘は貸さないでいいです。
類義語
対義語
なし
参考資料
Podcast
論文
現代日本の通勤電車における暗黙的ルールと「トレインスキル」 ―ダンスフロア空間をめぐる身体技法の社会学―
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