今回は、ハマナカ、どてらい、えにしの3人で、再び恐怖の遊び「カタルタ」に挑戦。
接続詞や副詞が書かれたカードをめくりながら会話を続ける第一部では、最近読んだ本の話から、深夜特急、徒歩旅行、サイボーグ化、紙の本と電子書籍、ARグラス、クラウド、災害時のアナログ論まで話が転がっていく。
便利なのは電子。でも、手に取れる紙には紙の強さがある。
気づけばハマナカもどてらいも、えにしに押されて謎の紙派へ……?
後半は、ストーリーテリング版カタルタ。
密林で目覚めた男、しゃべる狼、狼の背に乗る女の子、江戸時代っぽい船長、骸骨の船長室、丸い島と四角い島、裏切り者ジョニー、そして火山の中に眠る太陽。
カードに翻弄されながら、なぜか神話めいた「太陽創世記」が立ち上がる。
果たして紙は残るのか。
太陽は誰のものなのか。
そして、四角い島では何が起きていたのか。
今日もお聴き流しください。
要約
00:00:00 恐怖の遊び、カタルタ再び
今回は、ハマナカ、どてらい、えにしの3人でカタルタに挑戦。
カタルタとは、接続詞や副詞が書かれたカードをめくり、出た言葉を使って会話を続けていく恐ろしい遊びである。
前回までの「オレライブラリ交換会」の流れを受け、最初のお題は「最近読んだ本や雑誌、本にまつわること」。
順番をじゃんけんで決め、えにしからスタート。
前回の読書回を受け継ぐように、本と旅とメディアの話が転がり始める。
00:02:14 深夜特急か、近場の旅か
えにしが最近買った本として挙げるのは、沢木耕太郎『深夜特急』。
シベリア鉄道への憧れ、日本国内の夜行列車の減少、そして近場の旅のすすめへと話は広がる。
どてらいは「まず近場から日帰りで見ていくのもおすすめ」と語るが、なぜか話は徒歩旅行の方向へ。
雑誌『散歩の達人』を書いている身として、歩くことを否定できないどてらい。
本から旅へ、旅から移動手段へ。
会話は早くもカタルタらしく横滑りしていく。
00:04:06 サイボーグ化する身体と、紙の本の行方
ハマナカは、運動するには足をロボット化した方がいいのではないかと語り出す。
そこから話題は、身体のデバイス化、脳にチップを埋め込む未来、本を頭に直接注入するような読書体験へ。
しかし、ついさっきまで3人は超アナログな紙の本の話をしていた。
体がサイボーグ化したら、紙の本は残るのか。
電子書籍が基本になるのか。
本屋店主であるえにしは、紙の本は残り続けるのではないかと語る。
対するハマナカとどてらいは、便利さに引っ張られて電子書籍派へ寄りかける。
紙か電子か。
思わぬ思想討論が始まってしまう。
00:10:00 紙派か電子派か、アナログ媒体の逆襲
えにしは、80歳の人との会話をきっかけに、紙しか選択肢にないという感覚もわかるようになってきたと話す。
紙は電力を必要としない。
手に取れば読める。
災害時にも強い。
ARグラスやクラウド、電子書籍の便利さも魅力的だが、電池が切れれば使えないし、サービスが終われば消える可能性もある。
一方で、紙は火にも水にも弱い。
電子端末も水没する。
クラウドは残るかもしれないが、それも結局どこかのサービスに支えられている。
議論はぐるぐる巡りながら、最終的に「アナログを廃止したら、この収録すら成立しない」という強烈なブーメランへ。
紙か電子か。
どちらか一方ではなく、媒体そのものとどう付き合うかを考える回になっていく。
00:16:12 ストーリーテリングの反省とウミガメ封印
第一部のカタルタを終えた3人は、続いてストーリーテリング版に挑戦することに。
前回のストーリーテリングでは、白い部屋、忍者、ウミガメ、宇宙、ロシアなどが飛び散り、協力プレイがなかなか難しかった。
今回こそは、きちんとひとつの物語を作りたい。
どてらいは困るとすぐウミガメを召喚しがちなため、今回はウミガメを封印。
登場人物を増やし、展開を作り、伏線を回収する。
そんな反省を胸に、めくったカードから即興物語が始まる。
00:19:12 密林、狼、女の子、そして海へ
物語は、満天の星空の下、密林の中で目覚めた主人公から始まる。
手にはスマートフォン。
自分が文明人らしいことはわかるが、記憶はない。
そこへ現れたのは、しゃべる巨大な白い狼。
狼は主人公に「さっさと山を降りろ」と告げる。
さらに、狼の背には女の子が乗っている。
女の子に腕をつかまれ、森を抜けると、目の前には見渡す限りの大海原。
どうやらここは密林ではなく、防風林だったのかもしれない。
目覚めた場所の認識すら怪しいまま、物語は森から海へと動き出す。
00:25:13 骸骨船長と、丸い島・四角い島
海の向こうから現れたのは、江戸時代っぽい格好をした船長。
船長は主人公に「挑戦しろ」と告げ、船に乗るよう促す。
狼は船長を恐れているようにも見える。
怪しさ満点ではあるものの、主人公は冒険へのワクワクに負けて船に乗り込む。
数日後、船長室を開けると、そこにいたのは骸骨。
この船はあっちの世界へ向かう船なのか。
自分はもう死んでいるのか。
やがて船長は主人公に、丸い島と四角い島のどちらかを選べと迫る。
戻る道はない。
主人公は、自分の性格が丸いからという雑な理由で、丸い島を選ぶ。
00:29:41 親友ジョニーと、火山に眠る太陽
丸い島に着いた主人公は、かつての親友ジョニーと再会する。
ジョニーは、アリとケンは死んだ、もう信用できるのはサム、お前だけだと語る。
しかし、その言葉に主人公は違和感を覚える。
やがて丸い島の奥から、アリとケンらしき声が聞こえてくる。
「この島に入るな」。
だが、ジョニーは忠告を無視し、拳銃を主人公に向けて島の奥へ進む。
火山のふもとの洞窟。
その奥には、ぐつぐつと煮えたぎるマグマの上に、炎の塊のようなものが浮いていた。
ジョニーは言う。
「あれは太陽さ」。
太陽の力を手に入れて、世界を征服しようとするジョニー。
親友か、正義か。
主人公の心が揺れ動く。
00:36:27 船長の正義と、太陽創世記
主人公はようやく気づく。
冷静に考えると、俺はジョニーのことが嫌いだった。
野心が強く、信用ならない男。
そう思った瞬間、主人公とジョニーの前に、骸骨となった船長が立ちはだかる。
船長は太陽の光に焼かれ、肉体を失っていた。
しかし、その胸には正義の心が残っていた。
船長はジョニーを殴り飛ばし、世界征服を止めようとする。
火山に眠る太陽。
丸い島と四角い島。
森の狼。
骸骨船長。
すべてがつながったような、つながっていないようなまま、物語は神話めいた終幕へ。
今も太陽は地球を照らし、我々は毎日を生きている。
そういう話が、あったとか、なかったとか。
00:40:00 ストーリーテリング反省会
物語を終えた3人は、今回のストーリーテリングを振り返る。
前回よりも、舞台の移動や登場人物の動きがうまく機能した感触がある。
密林から海へ。
船から丸い島へ。
火山の洞窟へ。
場面が移ることで、物語にきちんと進行感が生まれた。
一方で、狼、女の子、アリとケン、スマートフォン、四角い島など、回収しきれなかった要素も多い。
それでも、ジョニーを黒幕にする暗黙の了解や、骸骨船長の正義、火山の中の太陽など、かなり物語らしい形にはなった。
えにしは場を作り、どてらいが人を動かし、ハマナカが構造を固める。
編集者はカタルタがうまいのではないか、という新説も浮上。
次は、おみやげとえにしを交えた4人プレイもやってみたい。
カタルタの道は、まだまだ続くのである。
漠然なる気付き
紙と電子のどちらが優れているかではなく、媒体にはそれぞれ得意な場面がある。便利さ、保存性、身体感覚、災害時の強さ。比べる軸を変えると見え方も変わる。
アナログを軽視すると、意外なところで足元をすくわれる。そもそも紙のカードで遊んでいる時点で、カタルタはアナログの勝利なのだ。
電子書籍、ARグラス、クラウド、脳への直接インストール。便利な読書の未来を考えるほど、紙の本の手触りや独立性が逆に強く見えてくる。
ストーリーテリング版カタルタは、場面転換があると一気に物語らしくなる。密林、海、船、島、火山。場所が動くと、話も動く。
どてらいは困るとウミガメを召喚しがち。封印しても、物語に謎の神話性を持ち込むあたり、根がどうしようもない。
えにしは場を作るのがうまい。登場人物や状況を整理し、物語が動き出す余白を作る力は、さすが編集者であり本屋店主である。
ハマナカは物語の構造を固める力が強い。混沌とした話を、神話や世界設定の方向へ引っ張る磁力がある。
カタルタは、遊んでいるつもりが、いつのまにかカードに遊ばれている。人間の制御を外したところで、変な物語が立ち上がる。
今回の「新約太陽創世記」は、かなり即興なのに妙に神話っぽい。太陽、骸骨船長、裏切り者、島、火山。素材だけ見るとちゃんと神話である。
第43回は、紙と電子の話から、なぜか太陽の創世神話まで転がっていく、カタルタ回らしい混沌の回だった。
本日の漠然マイスター
ハマナカ
紙折り人。DJやプログラミングもする。折り紙デザインスタジオ Kamiori-Studioを運営している。漠然スタイルは「神降ろし」。0から1を作ることに没頭しているうち、その身に神を宿す術を習得しつつある。マイスターとしては研究家気質で、他人の漠然感の分析に余念がない。
どてらい
物書き。空手やたこ焼き職人もする。主に雑誌『散歩の達人』で執筆、トンチキ企画担当。最近、古畑任八郎という人格が発現した。漠然スタイルは「イタコ」。グッと集中すれば他の人格を憑依させられるし一時的な記憶の塗り替えも可能。自分を単なる容れ物と考えているイカれた男。
えにし
シェア型書店の「えにしの本屋」店主。元々はどてらいが執筆している某散歩雑誌の編集者であり、おみやげの先輩にあたる。普段は観光業に携わる仕事をしていることもあり歴史や人流に造詣が深い。圧倒的知能を持つハマナカをして「インテリジェンスを感じる」と唸らせる。どてらい曰く「一見ミステリアスだけど、実はめちゃくちゃ気さくでノリがいい人」。
漠然スタイルは「読書」。単なる文字の並びである書籍から溢れ出す数多の情報、情景、情緒を感じ取り、自身の知見にしてアウトプットする。漠然マイスター認定以前から、その深い洞察力によって構築された「オレライブラリ」から選書された書籍は、相対する者に幅広い知識と知恵を与える。
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