人は、自分自身の中に複数の人格(アカウント)を宿し、状況によって使い分けているという理論。「全てのアカウントが自分自身」という考えに基づいているため「本当の自分」という概念は存在しない。
また、複数人格を意図的に使い分けている人を「マルチアカウント使い」と呼称する。学会の観測範囲では非常に稀なケースではあるが、アカウントを複数持たない「シングルアカウント使い」も存在する。
発見者:どてらい
発見の経緯
漠然マイスター・どてらいとハマナカが「バク然らいぶらり」の放送中、クリエイターとしての考え方の違いを議論する中で登場した理論。
紙折り師として伝えたいことがあるハマナカに対して、物書きとして伝えたいことがないと主張したどてらいだったが、それは勘違いだったと自認する。
「雑誌など、誰かの依頼を受けて書く文章は、『自分の伝えたいこと』ではなく『媒体の伝えたいこと』を書いている。つまり、自分自身に『媒体の物書き・どてらい』という人格があり、その人格が『媒体の伝えたいことを伝える!』と考えているということ。それは、プライベートアカウントの『どてらい』とは、また違う人格なのである」。
この考えを語る中で「マルチアカウント」という発言が登場。
ハマナカは「従来のマーケティングで語られていた『ペルソナ』という言葉と比べて『アカウント』という言葉は現代的でとっつきやすい。これは研究の対象にすべき」と、絶賛。
晴れて、学会として「ワタシマルチアカウント理論」を研究する運びとなったのだった。
用法
対人スキルとして、かなり有用である。
「自分自身の中に複数のアカウント(人格)がある」という概念を理解し、具体的にどういったアカウントが内在しているか把握することがスタート。
「パソコンのディレクトリ(フォルダ)のような構図で認識している」とは、どてらい。「まず、プライベートアカウントとビジネスアカウントふたつのディレクトリを作り、それぞれ下層ディレクトリが広がっていくイメージ」。
それぞれのアカウントは相対する人、状況によってたどり着くディレクトリが変化する。
例えば、ビジネスアカウントにおいて上司と相対するためのディレクトリと、部下と相対するためのディレクトリは異なる。
つまり、「ビジネスアカウント」ひとつとっても、複数のアカウントが存在しているということになる。
それぞれのアカウントを相対する人に対してチューニングしていくことで人間関係を円滑に回していくことに期待ができる。
マルチアカウント使いになるために必要なこと
単純に言うならば自他に対する「洞察力」である。
自分に内在するアカウントの自己理解。
自分が関わっている人との距離感。
アカウントをパッと切り替えられる瞬発力。
相対する人に合わせてアカウントを細かにチューニングする心配り。
顕現したアカウントをひとつの人格と思い込む集中力
注意点
「キャラクターをつくる」と混同されるが、これは誤り。
複数のアカウントはその人が生きている中で必要に応じて徐々に形づくられていった「作為的ではないキャラクター」である。
つまり、引き出しにないキャラをその都度作るのではなく、引き出しに入っているキャラを適宜表に出す、という概念なのである。
学会による研究
日本漠然研究学会でもかなり熱を入れて研究が進められている分野であり、分析官のハマナカが提唱した「合議制モデル思考」とも相性がよく、実際に論文では以下のように関連付けている。
本稿では、こうした先行研究を踏まえつつ、(1) 主体とモノを含む「合議制モデル」、(2) 複数の「アカウント」として自己を捉える「マルチアカウント理論」、(3) 個人をアカウントの集合から成る「国家」として理解する「集合アカウント国家論」という三層の概念モデルを提示する。
日本漠然研究学会漠然分析官ハマナカ著「現代における人格の複数化および複数人格状態のモデル化について ―合議制モデルからアカウント国家モデルまで―」
「内在するアカウントはその人の歩みや現在置かれている状況、未来への展望によって形づくられ、その要素は多様」とは、ハマナカ。
生年月日、生まれた場所、学歴、職歴といった経歴はもちろん、趣味趣向、尊敬する人物、好きな食べ物といった嗜好にも大きく左右される。
アカウントが生まれる要因について、論文ではSNSなどのマルチアカウント運用も影響を与えていると記述されている。
実際、Instagram や Twitter では、若年層が「本アカ」「裏アカ」「趣味アカ」など複数のアカウントを運用し、観客と文脈に応じて異なる自己呈示を行う実態が報告されている。
日本漠然研究学会漠然分析官ハマナカ著
「現代における人格の複数化および複数人格状態のモデル化について ―合議制モデルからアカウント国家モデルまで―」
また、アカウントの使い分けについても、スイッチが入ったように切り替わる人もいれば、つまみを上げ下げするように人格のボリュームを調整する人もいる。
これについては「演技力」などではなく、その人格への「理解力」が大きく影響を与えているとハマナカは分析している。
さらに、個人は複数アカウントの集合体という考え方から、「個人は国家」という「集合アカウント国家論」も提唱。
この考え方では、「個人対個人」は「国家間のやり取り」という見方をしており、結婚などは「国家同士の共同事業ゆえ、難易度が高い」といった、新たな見解も生まれている。
合議制モデル思考と同様、派生の漠然が生まれ続ける、学会で今最もアツい研究となっている。
マルチアカウント使いとは逆に、ひとつの人格しか持たない「シングルアカウント使い」も存在する。
2025年12月現在、学会内の漠然マイスターはほとんど全員がマルチアカウント使いであるが、怒れるマイスター・もってぃーのみ、シングルアカウント使いであると判明している。
また、ギャルマスター☆ゆかりんが提唱した「ギャルマインド―」に基づくなら、ギャルはシングルアカウント使いであるという考えもある。
学会内では貴重な存在であるため、今後もシングルアカウント使いの研究については進めていく予定だ。
備考
自らを「マルチアカウント使い」と称しているどてらいは、特に濃いアカウントがいくつかいるという。
たこ焼き屋のケンちゃん:たこ焼き酒場店長を務めていた頃に顕現。陽気で人当たりが良く、どてらいの「明るさ」が色濃く反映されたアカウントである。人をもてなす場面で発現することが多い。
三瀬カケル:元お笑い芸人の小説家で、どてらいの「シニカル」を色濃く反映されたアカウントである。執筆時に発現することが多い。
漠然冒険家ドン・寺井:海外の名所に似ている日本の風景を探し、疑似海外旅行を成立させるという奇抜な特技を生業としている。どてらいの「適当さ」が色濃く反映されたアカウント。雑誌の企画限定で発現する。
ペデストリアンデッキウォッチャー空野快郎:ペデストリアンデッキを愛し、デッキ上を歩く人を「天空人」、デッキ下を「地べた」と称する傲慢な男。どてらいの「偏愛」が色濃く反映されたアカウントである。ペデストリアンデッキに足を踏み入れると発現する。
クリス・ケンタ―:とってもいい声が魅力のラジオDJ。どてらいの「フォーマル」を反映しているアカウント。聞き上手で相槌がうまいため、取材時に発現することが多い。
古畑任八郎:「8」にまつわる謎を追う自称警部補。どんな謎も力技で解き明かす。どてらいの「偏屈」が色濃く反映されていて、何かにつけて皮肉を言う。もともとは某雑誌の企画で仕立てたキャラだったが、不意に出てくることがあるほど、どてらいに馴染んだアカウントとなってしまった。
なお、ハマナカはどてらいに興味本位で「古畑任八郎さん呼んでくださいよ」と頼んだものの、いざ、顕現した任八郎と対面して後悔したことがある。
「本当にどてらいさんと違う人がやってきた。話をしにくいし、考えも読めなくて、全然仲良くできる気がしなかった」と語っている。
「面倒な人だからやめた方がいいって言ったんですけどね」と、どてらいは当時を振り返る。「顕現しているアカウントにスイッチが切り替わる感じ。強制的にどてらいの記憶はなくなっている」と、続ける。
これが本当だとしたら、なかなかにイカれた男である。
類義語
対義語
なし
参考資料
Podcast
自分の中にもう一人の自分がいることを我々は『ワタシマルチアカウント』と呼んでいる
論文
現代における人格の複数化および複数人格状態のモデル化について ―合議制モデルからアカウント国家モデルまで―
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