日常で去来する言葉にできない感情とか感覚を大胆にも言語化して、図鑑(note)で発表している漠然マイスターたち!
漠然は、人類の共有資源なのである!
みんなで漠然言語を使っていこう、という趣旨の「漠然研究報告会」!
今回はどてらいのある悩みから生まれた「トレ降り損のくたびれもうけ」にフォーカス!
満員電車で人の流れに逆らえず、一度ホームに降りたものの、再乗車できずに乗り過ごしてしまうあの現象。
それは不運なのか。
それともトレインポジショニングスキルの問題なのか。
トレ乗りコンサルタント・ハマナカと、ダンスフロアで溺れるどてらいが、満員電車に潜む暗黙のルールを研究していく!
要約
00:00:00 トレ降り損のくたびれもうけ
今回は、漠然研究報告会として、漠然図鑑に収録された「トレ降り損のくたびれもうけ」を取り上げる。これは、満員電車で一度人を通すために途中下車したものの、ホーム上の人の流れに押されて列の最後尾に回され、再乗車できずに乗り過ごしてしまう現象のこと。どてらいにとってはかなり切実な悩みだが、ハマナカはあまり経験がないという。ここから、同じ満員電車でも見えている世界がまったく違うことが明らかになっていく。
00:04:48 課題はトレインポジショニングスキル
ハマナカは、トレ降り損の発生には電車内のポジショニング、つまり「トレポジ」が関係しているのではないかと分析する。どてらいは、入口付近と反対側の入口のあいだ、つり革にも届きにくい中間地帯にいることが多く、人の流れに巻き込まれやすい。一方ハマナカは、通路側や人の流れを避けられる位置を見つけて立つという。満員電車には、ただ乗るだけではなく、どこに立つか、どこへ逃げるか、どう流れを読むかというトレインポジショニングスキルが存在していた。
00:09:13 ダンスフロアで溺れる男
どてらいがよく巻き込まれている入口付近の広いスペースを、二人は「ダンスフロア」と呼び始める。そこは人が入りやすい一方で、最も混みやすく、人の流れに飲まれやすい激戦区でもある。ハマナカによれば、満員電車に慣れている人は車内全体を見て、空いている通路側や控え通路に移動する。一方どてらいは、ダンスフロアで溺れながら「この車両全体がギチギチなのだ」と思い込んでいた。見えていないだけで、実は避難できる場所はあったのかもしれない。
00:12:12 そんなあなたにトレ乗りコンサルティング
ハマナカは、どてらいのようなトレインスキル初心者には、あえて一本見送って列の前方に並び、乗車時に最初から通路側へ移動する戦略を提案する。つまり、満員電車にもマーケティングと同じく、外部環境と内部環境の分析が必要なのだ。どの路線が混むのか、どの車両が混むのか、自分はどのポジションが苦手なのか。これらを理解したうえで、自分に合ったトレ乗り戦略を立てる。気づけばハマナカは、トレ乗りコンサルタントとしてどてらいの相談に乗り始めていた。
00:19:07 禁じられた暗黙のルールを暴きたい
話は、満員電車に潜む暗黙のルールへ。混んでいる時はリュックを前に抱える、車内では大声で話さない、降りる人の流れを妨げない。こうしたルールは明文化されていないが、守らないと冷たい視線を浴びることがある。これは、かなり日本社会っぽい現象なのではないかと二人は考える。さらに自動改札で人とぶつかりそうになる話、地方と都市部の電車ルールの違い、路線ごとのローカルルールの存在へ。禁じられてはいないが、誰もはっきり教えてくれない暗黙のトレインルール。その図鑑化が、にわかに研究テーマとして立ち上がる。
00:28:40 漠然図鑑の研究が、いつか誰かの助けになる
最後に、二人はトレ降り損のくたびれもうけを単なる不運ではなく、研究対象として育てていく可能性を語る。満員電車でパニックになりやすい人にとって、車内の状況を知識として理解し、泳ぎ方を覚えることはかなり大切かもしれない。どてらい自身も、スキルが低い状態でフィールドワークし、成長過程を記録すれば、同じように困っている人の助けになる可能性がある。漠然図鑑は、ただの言葉遊びでは終わらない。日常の困りごとを言葉にし、研究し、いつか誰かのノウハウになるかもしれないのだ。
漠然なる気付き
「トレ降り損のくたびれもうけ」は、満員電車で一度降りたのに再乗車できず、結果的に乗り過ごしてしまう現象である。名前がつくと、ただの不運が急に研究対象になる。
同じ満員電車に乗っていても、見えている景色は人によって違う。どてらいには全体がすし詰めに見えていても、ハマナカには空いている通路や逃げ場が見えている。
満員電車には「トレインポジショニングスキル」がある。どこに立つか、どの流れに入るか、どこへ避けるか。その判断ひとつで快適さがかなり変わる。
入口付近の広い空間、通称ダンスフロアは、入りやすいが溺れやすい。トレインスキル初心者がうっかり入ると、人の流れに飲まれてしまう激戦区である。
車内の通路側や控え通路は、思っているより空いていることがある。混んでいる場所にいると、全体が混んでいると思い込みやすい。
トレ乗りスキルが高い人は、車内全体を見ている。自分の周囲だけでなく、どこに余白があるか、人の流れがどう動くかを観察している。
満員電車にも戦略が必要である。一本見送って列の前方に並ぶ、混みやすい車両を避ける、最初から通路側を目指すなど、外部環境と自分の特性を踏まえた行動設計ができる。
電車内には、明文化されていない暗黙のルールが多い。リュックの持ち方、立ち位置、乗降時の流れ、会話の音量。知らない人からすると、かなり謎の儀式に見える。
暗黙のルールは、知っている人には当たり前でも、知らない人には理不尽に見える。だからこそ、言語化して図鑑化する価値がある。
地方と都市部では、電車のルールや感覚がまったく違う。東京の満員電車と、地方の本数が少ない電車では、必要なスキルもローカルルールも変わる。
満員電車が苦手な人は、単に根性がないのではなく、泳ぎ方を知らないだけかもしれない。水中でパニックになるように、車内で思考能力が削がれている可能性がある。
どてらいのようなトレインスキル初心者がフィールドワークすることには意味がある。わからない人が何に困るのかを記録できるからだ。
漠然研究は、くだらないようで実用につながることがある。言葉にできない困りごとを名前にし、観察し、共有すれば、いつか誰かの助けになるかもしれない。
第14.5回は、トレ降り損という小さな悩みから、満員電車の暗黙のルール、日本社会の縮図、トレ乗りコンサルティングまで広がった研究報告回だった。
本日の漠然マイスター
ハマナカ
紙折り人。DJやプログラミングもする。折り紙デザインスタジオ Kamiori-Studioを運営している。漠然スタイルは「神降ろし」。0から1を作ることに没頭しているうち、その身に神を宿す術を習得しつつある。マイスターとしては研究家気質で、他人の漠然感の分析に余念がない。
どてらい
物書き。空手やたこ焼き職人もする。主に雑誌『散歩の達人』で執筆、トンチキ企画担当。最近、古畑任八郎という人格が発現した。漠然スタイルは「イタコ」。グッと集中すれば他の人格を憑依させられるし一時的な記憶の塗り替えも可能。自分を単なる容れ物と考えているイカれた男。
もってぃー
トレーナー。UXデザイナーを目指して活動中。便利な言葉や、定義の曖昧な言葉が人の行動を雑に縛ることへ強い違和感を持つ怒れる男。
漠然スタイルは「怒り」。理不尽や違和感に対する反骨心を燃料に、言葉の奥にある曖昧さを切り開く。社会人という便利ワードにドロップキックを放った、反骨系マイスター。
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